JOURNAL ASIA

日本の高レベル放射性廃棄物のゆくえを追う

そういえば、かえってくる廃棄物はどこに?

本年(2010年)8月に
六ヶ所村長と、青森県知事が
イギリス&フランスからの返還廃棄物(=CSD-C、CSD-B)の受入れ表明。

 ↓ これを受け

2010年10月20日 日本原燃は既存の施設改造を目的とした廃棄物管理事業変更許可申請を原子力・安全保安院に提出。
(受理に関する保安院News Release:「廃棄物管理事業の変更許可申請の受理について」

今後、保安院は厳粛な審査を行う予定。



*ざっくり*

地元(六ヶ所村)の首長も、知事も受入れOKしたので、原燃としては、
かえってくる低レベル放射性廃棄物も、今高レベル放射性廃棄物が一時保管されている貯蔵管理センターで保管で保管できるようにしますんで*っていう申請を保安院にしたってとこだね。

ただその申請書(原燃→保安院)からは分からないけれど、
原燃HPのプレスリリース内容を読むと今後の展開がもっと分かる。

原燃としては、
仏国AREVA NC社(旧COGEMA社)から返還される低レベル放射性廃棄物に関して、2013年の返還開始をきっちり実現したいから、既に地元からOKが出ている“高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターでの返還低レベル放射性廃棄物の受入れ・貯蔵”をまず先に申請して、その許可が得られたら、次に低レベルだけの貯蔵センターの新設を申請するっていう話。

っていうか、まぁもともと高レベル放射性廃棄物に続いて、低レベル放射性廃棄物の返還を、各国との合意通り、計画的に実行したいのに、国内で受入れ&貯蔵の話がうまく運ばず、ヤキモキしていた原燃も電気事業連合会(=電事連)にとっては喫緊の問題で、間に合わないと踏んでいたこともあってか「高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターにおける海外からの返還低レベル廃棄物の受入れ・貯蔵」と「低レベル廃棄物受入れ・貯蔵施設の新設」は具体的に計画されている。
(2012年度に着工、2018年度に操業開始する計画)

要は、
現在の高レベル用の貯蔵施設での低レベルの対応もOKな状況して、
めいっぱい詰め込める(=「最大保管廃棄能力」)ように改造して、
それから今度は低レベル用を新設するっていう具合だ。

今回8月に地元のOKが出たのは、思ったより早かったのかな?

改造内容見たけど、現在3段積みの部分を4段にして、更に新規で4段積みの場所を確保するみたいだね。
ちょっと2007年9月末、岡山県の市民団体の情報公開請求によって公開された、経済産業省原子力安全・保安院が詳細に記録した柏崎刈羽原発事故後の未公開の画像676点の写真が脳裏をよぎった。

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*参考*

・「廃棄物管理事業変更許可申請について」(平成22年10月20日付 原燃プレスリリース)

デーリー東北新聞社(Online Service)より以下記事引用/転載

返還廃棄物 六ヶ所村が受け入れ表明(2010/08/18)
 海外から返還される放射性廃棄物について、古川健治六ケ所村長は17日、村役場で記者会見を開き、村への受け入れを容認することを表明した。18日にも三村申吾青森県知事に村側の意向を伝える。同日は県議会各会派も意見を報告する見通しで、三村知事が受け入れの是非を総合判断するための材料がそろうことになる。
 
 17日は、村議会の六新会と健政会(それぞれ9人所属)が「最終判断は村長に一任する」との意見をまとめた。一新会(2人所属)も既に同様の意向を示していたため、古川村長は2会派からの意見聴取後、村幹部を集めて庁議を開き、受け入れ容認を正式決定した。
 古川村長は会見で、▽安全確保が可能だとする県の専門家検討会の報告内容▽地域振興策に関する国、事業者からの前向きな回答―について触れ、「議会を含めて意見集約ができ、(受け入れを)判断すべき環境が整った」と容認に至った理由を説明。
 「電気事業連合会と日本原燃には、引き続き安全確保に万全を期し、共存共栄を図って村の地域振興に寄与することを期待している」と述べた。
 一方、廃棄物の搬出先となる最終処分地が依然として決まっていない現状に、「核燃料サイクル事業の重要性を国民に理解していただくことに加え、最終処分場の早期選定に努力してほしい」と注文を付けた。
 村議会で議論となっていた地域振興策に関しては、事業者側への要望項目を集約するため、9月中に再度、議員と意見交換する場を設ける考え。
 村は7月上旬、国に交付金の増額を求める要望書を提出し、回答を受け入れの検討材料にするとしていた。これについて、古川村長は「(2011年度の)概算要求がどれだけあるのか。これが(受け入れの)前提になっている」とし、交付金の編成状況を注視する考えを示した。



陸奥新報より以下記事引用/転載

返還廃棄物受け入れで交付金配慮要請/副知事

 三村申吾知事が海外返還放射性廃棄物の一時貯蔵受け入れを判断したことを受けて蝦名武副知事は20日に上京し、経済産業省に対し同廃棄物に絡む交付金について国の配慮が来年度概算要求に反映されるよう要請し、「前向きに検討する」などの回答を得た。また、電気事業連合会にも高レベル放射性廃棄物最終処分地の早期選定を進めるよう強く求めた。県は今後、廃棄物受け入れに伴う両項目の実現について、国や電気事業者と具体的な協議を進める方針だ。
 蝦名副知事は20日午前、経産省で横尾英博資源エネルギー庁電力・ガス事業部長、電事連では久米雄二専務理事、田沼進理事・原子燃料サイクル事業推進本部長とそれぞれ非公開で懇談した。
 蝦名副知事によると、10日に県議会原子力・エネルギー対策特別委正副委員長が経産省に地域振興策を求めた際、近藤洋介政務官が廃棄物受け入れ時、電源三法交付金に「特別な配慮」との考えを示したことから、来年度概算要求に配慮が盛り込まれるよう求めた横尾部長は「前向きに検討する」と答えたという。ほかに交付金の使途を自由にできるよう重ねて要請した。
 電事連では、蝦名副知事が「最終処分地選定を早く、見える形にしてほしい」と強く求めた。
 蝦名副知事は「経産省では交付金が概算要求に反映されるという、だいぶ良い感触を得た。電事連では、お願いというよりは強い要請をしてきた」と語った。


JAEA大洗研究開発センターの廃棄物管理施設(α固体貯蔵施設)における保管体の貯蔵管理の不備について

平成22年10月12日付で
(独)日本原子力研究開発機構 大洗研究開発センターから放射性廃棄物規制課に
固体廃棄物の貯蔵管理に不備があったという報告をした。

大洗研究開発センターの廃棄物管理施設(α固体貯蔵施設)における保管体の貯蔵管理の不備について(概要)」

ざっくり要約すると、
事業者の申請書には、固体廃棄物の最大放射能濃度は保安規定値内と記載されていたにも関わらず、1,757体中12体に、規定を超える濃度の固体があった、というもの。

これを受け国(経産省)は、翌日13日に機構に対し、指示文書を送った。

大洗研究開発センター廃棄物管理事業における不適切な廃棄物管理について (指示)

<指示内容>
・原因解明と再発防止策
・他にも、同様の問題はないか

確かに原因が気になる。
なぜ、こういった事態が起きるのか。結構普通に起き得てしまうもんなのか?
12日付で策定された概要(上記参照)によれば、推定原因を以下の通りに記しているが・・・

 大洗地区において、昭和51年はα固体廃棄物の処理施設を設置した時期にあたり、
廃棄物管理に係る要領は順次整備され、現在と概ね相違はないものとなっている。
しかし、現在の廃棄物管理施設での管理に比べ、当時の管理体制は整備段階にあり、
作業者の認識に齟齬が生じやすい状況であった。
 また、平成4年に廃棄物管理事業許可を取得する際に、自ら定めた管理の要領に
合わない保管体が貯蔵されていることを把握しておらず、結果として、現在に至る
まで不適切な管理を継続していた。
 品質保証計画に基づく保安活動に重点的に取り組む体制が当時はなく、平成16年
に品質保証活動を保安規定に取り入れた際に、過去の業務のレビューがなされず、
改善がなされていなかった。

(「大洗研究開発センターの廃棄物管理施設(α固体貯蔵施設)における保管体の貯蔵管理の不備について(概要)」より引用)

「作業者の認識に齟齬が生じやすい状況」ねぇ‥

「事業許可を取得する際に、自ら定めた管理の要領に合わない保管体が貯蔵されていることを把握しておらず」とうことと、「品質保証計画に基づく保安活動に重点的に取り組む体制が当時はなく、平成16年に品質保証活動を保安規定に取り入れた際に、過去の業務のレビューがなされず、改善がなされていなかった。」っていうのも凄いよね・・。
ずさんだと思ってしまうけど、そういうものなんだろうか?
アルバイトのあたしでも、規定、規則が新たに取り入れられればスタッフ全員で対応に取り組みますが、バイトと一緒にすんなって感じ?扱う物も違うし?てかだからむしろもっと神経使うんじゃなくて・・
忙しいのかもね。今度聞いてみよう。

とにかく、
本日その提出締め切り日で、報告が夕方になって上げられたので、確認しておきたい。

独立行政法人日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターの廃棄物管理事業における不適切な廃棄物管理に係る指示に関する報告書の受理について」(【別添】大洗研究開発センター廃棄物管理事業における不適切な廃棄物管理の是正の措置について (概要)

指示のうちの一つ、「当該12体の放射能濃度について事業許可申請書及び保安規定に記載された値以下とするための措置を可及的速やかに実施」に対しては「廃棄物を大きな容器に封入し直すことにより完了した」とされるが、
個人的に注視したい箇所をピックアップ、報告書(資料元は上記リンクの通り)する。

「受払時の要因」について

主な要因として、
・昭和 51 年当時は、管理値に関する認識が薄く、払出側、受入側ともこれを確認せずに廃棄物を払い出し、受け入れていた。
・また、管理値を確認する仕組み、手順書が未整備で、受入側にあっては、 体制も未整備であった。
・昭和 57 年当時は、プルトニウム量「1g/容器」が管理すべき値であるとの漠然とした認識のもと、「1g/容器未満」と「1g/容器以下」との違いを確認せずにプルトニウム量が「1g/容器」のものを払い出し、これを受け入れており、管理値を正しく理解していなかった。



「不適切な廃棄物管理を継続したことに関する要因」について

主な要因として、
・計算機による貯蔵管理システムの導入にともなうデータ入力、廃棄物管理事業への移行、保安規定への品質保証の取込み、二法人統合等の機会に、過去のデータを確認しなかった。
・廃棄物は、払出側が基準を守り、受入側は受入時にこれを確認しているとの認識で過去のデータを確認する必要性を認識していなかった。
ことがあげられる。



「廃棄物の管理状況の調査」について

 廃棄物パッケージ 18,905 個の放射性物質濃度及び線量当量率を調査した結果、放射性物質濃度の記載のない記録があり、放射性物質濃度を記録から特定できないものが確認された。これらの廃棄物パッケージについては、廃棄物発生元施設の評価方法に基づき、容器表面の線量当量率等から放射能濃度を求める作業を実施している。
 一時保管中の固体廃棄物 10,361 個について、放射性物質濃度の記載がないものがあり、廃棄物発生元施設の評価方法に基づき、容器表面の線量当量率等から放射能濃度を求める作業を実施している。



「放射性物質濃度の記載がないものがあ」るというのも、なかなか怖いが、
“そもそもこういったことが起こりえるのか?”という自分の中の疑問に対する答えを、物凄くざっくりまとめて云おうとすると、

「昭和 51 年当時は、管理値に関する認識が薄く、払出側、受入側ともこれを確認せずに廃棄物を払い出し、受け入れていた」事実を現在の関係者が把握していなかったこともあって、「廃棄物は、払出側が基準を守り、受入側は受入時にこれを確認しているとの認識で過去のデータを確認する必要性を認識していなかった。」というふうにも云えるだろう。

これって、放射性廃棄物全般に関わる問題にも思える。

周知の通り、特に高レベル放射性廃棄物は何百年以上のスパンで計画されている国家プロジェクトである。
四半世紀そこそこで、取扱の過程において、「作業者の認識に“齟齬”が生じ」てしまうようでは、この先実施計画予定の高レベル放射性廃棄物処理事業も心配になる。

時代を超えて、人の手で管理をしていく、ということの難しさを再確認させられる出来事のように思える。
教訓にされたい。

報告書は、
大洗研究開発センターの廃棄物管理施設において管理しているすべての廃棄物については放射性物質濃度確認作業等の作業が未完了のため、今月末までに報告予定とし、また組織的な要因や、管理状況の調査等で今回確認された課題等に対する要因分析を含め、再発防止策案策定に来年(平成23年)1 月末までという期日を設けている。

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