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池子:米軍家族住宅追加建設を巡り、5市民団体が初の防衛省直接交渉


約11年間、具体的な説明のないまま、変更だけが繰り返され、迷走を続けている池子米軍家族住宅追加建設問題を巡り、地域の5市民団体が初めて防衛省と直接交渉を行った。(この問題については、7月11日発売の週刊金曜日(999号)に拙稿掲載。)詳細は追って記載するとし、ひとまず、


要請の内容は以下の通り:

 4月17日、日米合同委員会において、池子地区横浜市域の米軍家族住宅の建設計画については、現計画の鉄筋コンクリート造3階建て連棟式共同住宅等385戸を同2階建て連棟式共同住宅等171戸に変更することが承認され、6月4日には基本配置計画案が示されました。
 横浜市域への建設計画が2003年7月に提示されてから10年以上が経過しています。この間、建設工数が大きく変遷し当初は約800戸だったものが、2004年に約700戸、さらに2010年9月に約400戸となり、2011年7月に385戸で基本配置計画案が示され、そして今回の合意に至っています。
 私たちは従前から問題点を指摘してきましたが、解消されていません。以下の点についての回答を要請いたします。


1. 今回、171戸に変更されたのは米軍からの要求と聞いているが。171戸に至った根拠と2011年からの交渉過程を明らかにすること。

2. 横浜市域への建設は根岸住宅385戸の移設が目的であったはずである。385戸を移設できないのであれば、建設の根拠は失われたものと考えるが、国の見解を示すこと。

3. 171戸に変更となっても、横須賀地区で不足している家族住宅戸数や根岸住宅の所要の戸数が変わったものではないとのことだが、現時点での不足戸数を把握しているのか。またその対処を行なっているのか。

4. 171戸以外の戸数は基地外居住を想定しているというが、外から学校に通うことになると述べている。通勤、通学による車両の出入りが格段に増え、地元の交通事情を、さらに悪化させることになるが、対策はあるのか。

5. 根岸住宅の移設であるならば支援施設の必要性は385戸が対象である。基地外居住戸数のほうが多くなるが、そのことについてどのように考えているのか。現時点での基地外居住者の数や所在地などの情報を把握しているのか。

6. 新設トンネルは米軍からの要求ではなく、防衛省の計画案であり、緊急時にしか通行しないと述べていた。そもそも、2003年の建設計画案では、「逗子と横浜は別々のタウンだから追加建設とは呼ばない、車両の通行もない」とも述べていた。それにも関わらず、今回は「当該市域内の米軍施設内における相互の通行を想定している」との見解だが、考え方を変節して理由を示すこと。

7. 現在、池子地区逗子市域に、すでに854戸の米軍家族住宅が建設されているが、854戸のうち、約172戸が空き家となっている状態である。またJR横須賀駅前に、横浜市の民間業者の建設した米軍人向けマンション280戸は、入居開始後、すぐに満室となってしまった。その他にも、横須賀基地に近い横須賀市内で、米軍向け民間住宅が続々と建設中である。従って、なぜ今、遊休化して本来他の施設と同様に返還されるべき横浜市域に、数百億円の建設費用をかけ、以下に述べるような地元への大きな負担を
かけてまで、171戸の追加建設が必要なのか明らかでない。

8. 池子地域は、横浜市域でも、最も自然度の高い貴重な緑が残されている。ところが逗子市域でも、全体面積の8割の緑が保全されているのに、基本配置計画案は、この横浜市にとって貴重な緑につき、全体面積の約半分が、大規模に盛り土、切り土によって造成されて、破壊されることに、基本配置計画案は全く変わりない。
横浜は緑が減少しており、みどりアップ計画として「横浜みどり税」を市民から徴収しているが、この計画は自然環境の保全配慮に反するものである。

9. 横浜市域の周辺は、ただでさえ道路が狭く、交通渋滞と交通事故の危険が日常的である。そこにさらに、171戸×1・5台以上の自動車が通勤時及びそれ以外の時間に出入りすることによって、状況は極端に悪化する。また、大量の切り土、盛り土による、大型車両の長期間にわたる出入りも、地元の交通事情を、極端に悪化させる。
さらに、米兵犯罪、交通事故、治安の悪化等の発生も大いに懸念される。
これらに対する具体的な対策、改善策を検討したのか。検討しているのであればそれを示すこと。

10. 切り崩した土砂を搬出しないとしても、工事車両や機材搬入等は必然であるが、それらの交通アクセスについて検討は進んでいるのか。横浜横須賀道路に繋げる案も一つと考えているとの情報もあるが、想定しているのか。

11. 基本配置計画案は全体面積の約半分が、大規模に盛り土、切り土によって造成されて、貴重な緑が破壊されることとなることが、風致地区の趣旨に反する。2階建の連棟式共同住宅が、地上30mに大量に出現するのも、また高さ20mの支援施設が、地上50mに出現するのも、明らかに景観上も、風致保全にそぐわない。横浜市風致地区条例等の法令違反となるが、国としての見解を述べること。
*条例5条・ウ(エ)によって、10m以上の建物は建築できないはずなのに、支援施
設は20mの高さであって、違反している。高さ20mの支援施設が、地上50mに出現
するのであるから、その周辺の風致とも、著しく不調和である。
*ループ橋も、橋として建築物等に含まれ(2条3・)、明らかに高さ10m以上の建
築物であるから、条例5条・ウ(エ)に違反している。
*条例5条・ウによって、5m以上の法はできないはずなのに、30m以上の法を、段
切りして、細かく切って作ろうとしているが、これは風致地区条例の趣旨からしても、
到底許されない脱法行為である。

12. そもそも20メートルも盛り上げるのは何のためか。予定の山を崩した土砂を予定地外に搬出しないための措置か。それとも,横浜・横須賀道路との高度差を縮めて,インターチェンジを作るための措置か。

13. 盛り土の危険性については昨年12月の質問において、「国土交通省の策定の「宅地防災マニュアル」横浜市策定の「宅地造成の手引き」等を踏まえ、今後の実施計画等の業務の中で適切に対応していく」と述べているが、今回の配置計画案策定に際し、どのような検討を行ったのか。

14. 大規模な造成をし、森林を破壊するので、相当大きな調整池が必要(おそらく地下駐車場をそれにあてると思われる。)であるが、その排水量、敷地外への排水量が、既存の河川の流量で流し切れるか、河川改修が必要か。

15. 谷を埋める盛り土及びその上に建設される住宅等が、震度7の地震等の際、崩壊、倒壊しないための対策はしているのか。

16. 大量の盛り土を受止めるために線路側の土留めの法を作るようだが、三浦半島を震源とする震度7の地震等の際、京急線路側に崩壊しないかどうかについての、法の工法、強度等についてどのように捉えているのか。

17. 建設と、居住者による交通量の周囲の交通に及ぼす影響を調査しているのか。

18. 予定地の土壌汚染、毒ガス製造跡等による汚染の調査は行なっているのか。
行なっていないのであれば今後実施する予定はあるのか。

19. 私たちの調査によると「Design Partners株式会社」に「Hakkei Hills」関連の施設や計画が何件も掲載されているが、把握しているか、また情報があれば提示すること。

20.「Trinity Management Group」 という米企業のHPにも、八景ヒルズ関連の事業を
請け負っていると思われる記述(以下)がある。
NA921-107 Hakkei HIlls Recreation Complex, Yokosuka Naval Base, Japan
Comprehensive Assessment System for Building Environmental Efficiency
for New Construction (CASBEE - NC, B+ or Higher)
「Recreation Complex」とは何か。
「CASBEE」は「建築物総合環境性能評価システム」の略であるが、こうした情報
は米軍から提供されているのか。

以上、よろしくお願いいたします。

米軍住宅建設をやめさせ、基地返還と池子の森を守る会
池子米軍住宅追加建設に反対する逗子市民の会
池子米軍住宅追加建設を考える会
戦争反対・平和の白いリボン神奈川
原子力空母の横須賀母港化問題を考える市民の会