JOURNAL ASIA

日本の高レベル放射性廃棄物のゆくえを追う

【インタビュー】横須賀市議団 米国視察




横須賀市議団 米国・サンディエゴ基地視察



今月8日、東京新聞に「GWが修理を行っている米国・サンディエゴ基地を視察した横須賀市議団」のことが書かれていた。個人的には5月末に視察のことを耳にしていたため、市議団の中の議員さんに同行取材を申し出、何度か遣り取りをさせて頂いていた。その頃は未だオフレコでブログでは触れなかったが「残念な報告がすでに1つある」とは書いた「1つ」がこの同行取材のことだった。

申し出には好意的に受け止めてくれていたが、難しいと云う。仮に通しで同行が無理でも箇所箇所ででも構わないと食い下がってみたものの、「大変申し訳ないが、セキュリティーの問題上非常に難しいのと、視察の手配等すべて課に任せているため、自分たちの力では何とも出来ない」という結果で、結局出来なかった同視察。





視察の目的



●ノースロップグラマン社に対する横須賀市企業誘致を喚起する



●北米サンディエゴ/コロラド両市に展開する米軍施設、およびハワイ州の太平洋艦隊司令部を訪問し、米海軍の太平洋艦隊展開の基本戦略、また、基地と周辺住居区との友好関係の構築状況や危機管理体制について最新情報を聴取する



●空母交代に係る乗務員や航空要員への最新教育状況を聴取する。



●原子力空母(CVN73)ジョージ・ワシントン(「GW」)の火災の詳細と修理状況を確認し、今後の配備予定などを聴取する。






インタビュー 横須賀市議会議員 佐久間則夫さん





「今回行った議員5名は原子力空母の受け入れについては肯定的な立場の者だが、市民には見せるところはちゃんときちんと見せてほしい、但しそれを以て友好な日米関係、正常な原子力空母受け入れを、という立場です。」



そう立場表明をしてから、話は始まった。



以下、伺ったお話の中でもとりわけ強調されたところを抜粋し、紹介する。





☆住宅政策を重要視する米軍

―民間資本導入による海軍独身住宅(PPV)



日本では、いわゆる「思いやり予算」が充てられており、日本の資金で、米兵の住宅地等を立て替えている等している。しかし、軍事予算や日本国内においても国防費が切り詰められていくと同予算(佐久間さんは「ホストネーションファンド」と言っていた)もどんどん減少の傾向にある一方で抱える問題を指摘した。



「船員さんたちにはもう歳を老って、いい環境を求めているんですね。

『船員さんたちを船に閉じ込めとくのはやめよう』と、『きちんと陸上にあがって、勤務がある時は生活するのがあるべき姿だ』ということで、住宅政策というのが凄く重要視してるんです。ところが一方で軍事予算が少なくなっている。そこで考え出されたのがこのPPV[Public Private Venture](日本で言うPFI)です。」



土地を海軍が提供し、民間の会社に建ててもらい、そこで兵隊を入れ、その兵隊から居住費もとる。兵隊が支払う居住費は当然軍も援助する。それによって建設費を安く済ませる。軍の敷地のため、土地の費用が要らないことは大きく、結局、住む兵隊(一部軍が支援)から支払われる居住費により、建設費は償還されるというシステムだ。



「それを50年、PPV契約を結んでいるようです。日本じゃ安保条約の関係で難しいかもしれないけどね。」とは言うものの、現在横須賀市のベース内のバース12に、安定的供給のためガス発電施設が建設されているが、プラントの外側の部分を日本の民間会社が担っており、(東京ガスから天然ガスを買い、)プラントで電力に変えて米軍に売って、利益を得るということを基地内では行っている。



「ケリー少将はそういったことを(横須賀で)とても推進しようとしている。『様々な事件がありのは勿論あってはならないことだが、船員の抑圧された環境にあるんだ。やっぱりプライベートな環境があることが大切だ。』っていうんで、こういったハウジングの整備を実際基地内では彼が声かけをしてどんどん整備してます。『本当は二人部屋じゃなくて個室にしたいんだけど』と言ってますよ。彼は今基地の外でも、こういう民間の資本を、誰か『わたしが水兵さんのためにやろう』という人が、手を挙げてくれないかな、盛んに宣伝してますね。」





☆GWの火災:場所と原因について



「火災が発生したのは右舷、艦橋の位置する付近の喫水線の下です。その何処かは非常に難しく僕にも分からないが、煙が、熱さが吹き上がって、ワイヤーが溶けたようです。」



Q 「火がやっぱりこう転火していくんですか?」



A 「難しかったのは、何が燃えているのか分からないんで、消火隊が泡を用意して一個一個確認しながら降りてったんだって。だからそれが熱によるものなのか、炎が吹き上がったのかはちょっと断定出来ないって言ってました。」

『5月22日午前7時50分、補助ボイラー室付近から出火。何らかの可燃物が換気トランクに置いてあり』(報告書)ということで、「補助ボイラーの隣にダクトのようなものがあるんです。そこに何らかの火の燃えるものがあったということなんですよ、そこに燃え移ってダーっと熱気が上がっていった。炎が吹き出したとは言ってなかったが、熱さでワイヤーが溶けたって言ってるんですよ。」

非常に大量のケーブルが全部溶けているという。



火事の調査と、修理状況を聞いたこの視察の話を聞いても分かるように、とにかく大きい火事だったわけだが、ここで一息ついてこう続けた。



「問題はここなんですよ。誰が『ボヤ』だって言ったんだということなんですよ。

横須賀市に最初に入った連絡は、出火したけど『大したことがない』?『ボヤ』とかいう表現だった。米軍は誰も使ってない。じゃあ誰だって話になりますよね。

そこなんだ。だからね、今回視察をやって分かったのは、確かに火災を出したのは米軍ですよ。で、危ないかもしれない。でも彼らは火災はこういう風に出ました。でもリアクターとは離れてたし、リアクターには何の影響もない、ということを言いたかったの、実は。でもそれがいつからか、“GWで火災が起こったけれど大したことはないです。”っていう標語に変わっちゃったの。“出たけど、被害は大きいです。でもリアクターには関係ないです。”っていうのが正しいでしょ。でもそれは、過敏に反応する人が居るからいけないっていうせいもあるのよ。」



このことも含め、視察内容にしても積極的に協力し、GWは修理の関係で見れなかったが、代わりにステニス(CVN74)に乗せ、船を出し、海上における火災訓練の実施様子を見せるなど、乗船だけでも普段ならあり得ないのに、それ以上の普段ならあり得ない事までも許可し、説明に取り組んだ米軍に、「米軍は今本音で語ろうとしていると強く感じた」と佐久間さんは強調した。と同時に時折「こういうこと言うと米軍のプロパガンダだとか言われそうだけど、そういうことじゃないからね」と言いながら佐久間さんは笑った。





☆その他 GW関連事項



「臨時用のディーゼル発電装置を4基搭載しているため、陸上から電力が途切れても問題は何もない、ということを言ってました。」

「これは初めて聞いたんだけど、原子力空母の推進機関て、どのような衝撃にも耐えられるってファクトシートに書いてありましたよね。で『ほんとか?』という質問に対して、このジョー・ギストさん(物理学者/米海軍原子炉管理局上級代表 横須賀駐在)がキレたように、『どのような地震の衝撃によるパンチングを受けても推進力にも影響力はないと断言できる。空母セオドラル・ルーズベルト CVN71は2週間に渡りショックテストを実際受けている。』という風に言ってました。ショックテストの内容は、実際空母の近くで爆発させるんだって、何かを。それで被爆する試験を行い記録をとった。とにかく安全なんだからって(笑)まぁあとはカミカゼがね、突っ込んだらどうなるかとかは分からないところですね。」





☆米海軍太平洋艦隊の運用に関する国防予算について



「改めて彼らの考え方が分かったのは、彼らは良い意味で、お金でしか物を考えていない。つまり国防に対する太平洋艦隊の部分の予算の消費の仕方。

『10兆円の予算(米海軍全予算)の6割を太平洋に割いている。アジアにとってもこれ以上の防衛はないでしょ』と。『一方日本を見て下さい。日本は4兆円だけれども4千億円ですよ、アメリカに支出しているのは。これは凄く安い防衛力を買っているんではないですか?』っていうことを(米は)凄く言いたかったのね、この会議室で(笑)

(モリー少将のプレゼンテーションをし、議論した「太平洋艦隊司令部」というのは)首相が入るような部屋なんですよ、ここでやってくれたんだから最大限の歓迎だと思うんだけど、それを言いたかったんだよ、実は。これどうですかっていうことなんですよ。」





☆「人道支援」としての米艦隊



「米軍が重要任務としているのが『人道支援』であることを強調していた。でちょっと気になったのは、災害派遣については大規模な艦隊を派遣してもいいと言っているの。ただ日本側が受け入れる時、皆さんの世論はどうなんだろう?

そういうことも念頭にあるのか、彼らが言うには、災害支援っていうのは、病院船がとても役に立つんだが、それと同時にやっぱり機動力が必要なんだって。この二つがセットで行かないと本当の災害派遣は出来ないんだって。災害地からヘリコプターをバンバンバンバン輸送するじゃないですか。物資も投下するし。だから機動力がないと災害派遣が出来ない。このセットが初めて有効なんだってことを盛んに言ってました。だからやっぱり日本の世論があるのも彼らも充分承知しているんだよね。ただ“本当のことを解って下さい”っていうのを僕は感じた。」





∞   ∞   ∞



双葉個人的な感想双葉



いい意味で期待以上に議員さんっぽくない佐久間さんでしたはーと

あたし的注目議員さんなだけに、佐久間さんにお話伺えて良かった。



云えないことは隠すんじゃなく、「云えない」って云ってくれるっていい。



この取材を受けて下さったこと、またブログでの掲載に関しては(オフレコ部分以外は)「ご自由にお使い下さい」っていう寛大さ。

普通のことでも、普通じゃない今、もの凄い寛大に思えるし、多分それ抜きにしても寛大っていうか、比較的柔軟な人だと思ったし、固くなくて、話してて結構笑えた。



※言うまでもなく、これは佐久間さんのプロパガンダではありません。





CVN73配備時期に関する記事



火災の原子力空母、日本への配備遅れを正式表明/在日米海軍



横須賀入港 10月に遅延か 来日技術団、500人規模に



原子力空母配備、9月以降に=火災で遅れ-在日米海軍



8月下旬に修理終了と米軍 原子力空母配備は10月以降



原子力空母配備は「今秋に」/米海軍司令官


Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

trackbackURL:http://journalasia.blog22.fc2.com/tb.php/100-2bddbf82
該当の記事は見つかりませんでした。