JOURNAL ASIA

日本の高レベル放射性廃棄物のゆくえを追う

JAEA大洗研究開発センターの廃棄物管理施設(α固体貯蔵施設)における保管体の貯蔵管理の不備について

平成22年10月12日付で
(独)日本原子力研究開発機構 大洗研究開発センターから放射性廃棄物規制課に
固体廃棄物の貯蔵管理に不備があったという報告をした。

大洗研究開発センターの廃棄物管理施設(α固体貯蔵施設)における保管体の貯蔵管理の不備について(概要)」

ざっくり要約すると、
事業者の申請書には、固体廃棄物の最大放射能濃度は保安規定値内と記載されていたにも関わらず、1,757体中12体に、規定を超える濃度の固体があった、というもの。

これを受け国(経産省)は、翌日13日に機構に対し、指示文書を送った。

大洗研究開発センター廃棄物管理事業における不適切な廃棄物管理について (指示)

<指示内容>
・原因解明と再発防止策
・他にも、同様の問題はないか

確かに原因が気になる。
なぜ、こういった事態が起きるのか。結構普通に起き得てしまうもんなのか?
12日付で策定された概要(上記参照)によれば、推定原因を以下の通りに記しているが・・・

 大洗地区において、昭和51年はα固体廃棄物の処理施設を設置した時期にあたり、
廃棄物管理に係る要領は順次整備され、現在と概ね相違はないものとなっている。
しかし、現在の廃棄物管理施設での管理に比べ、当時の管理体制は整備段階にあり、
作業者の認識に齟齬が生じやすい状況であった。
 また、平成4年に廃棄物管理事業許可を取得する際に、自ら定めた管理の要領に
合わない保管体が貯蔵されていることを把握しておらず、結果として、現在に至る
まで不適切な管理を継続していた。
 品質保証計画に基づく保安活動に重点的に取り組む体制が当時はなく、平成16年
に品質保証活動を保安規定に取り入れた際に、過去の業務のレビューがなされず、
改善がなされていなかった。

(「大洗研究開発センターの廃棄物管理施設(α固体貯蔵施設)における保管体の貯蔵管理の不備について(概要)」より引用)

「作業者の認識に齟齬が生じやすい状況」ねぇ‥

「事業許可を取得する際に、自ら定めた管理の要領に合わない保管体が貯蔵されていることを把握しておらず」とうことと、「品質保証計画に基づく保安活動に重点的に取り組む体制が当時はなく、平成16年に品質保証活動を保安規定に取り入れた際に、過去の業務のレビューがなされず、改善がなされていなかった。」っていうのも凄いよね・・。
ずさんだと思ってしまうけど、そういうものなんだろうか?
アルバイトのあたしでも、規定、規則が新たに取り入れられればスタッフ全員で対応に取り組みますが、バイトと一緒にすんなって感じ?扱う物も違うし?てかだからむしろもっと神経使うんじゃなくて・・
忙しいのかもね。今度聞いてみよう。

とにかく、
本日その提出締め切り日で、報告が夕方になって上げられたので、確認しておきたい。

独立行政法人日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターの廃棄物管理事業における不適切な廃棄物管理に係る指示に関する報告書の受理について」(【別添】大洗研究開発センター廃棄物管理事業における不適切な廃棄物管理の是正の措置について (概要)

指示のうちの一つ、「当該12体の放射能濃度について事業許可申請書及び保安規定に記載された値以下とするための措置を可及的速やかに実施」に対しては「廃棄物を大きな容器に封入し直すことにより完了した」とされるが、
個人的に注視したい箇所をピックアップ、報告書(資料元は上記リンクの通り)する。

「受払時の要因」について

主な要因として、
・昭和 51 年当時は、管理値に関する認識が薄く、払出側、受入側ともこれを確認せずに廃棄物を払い出し、受け入れていた。
・また、管理値を確認する仕組み、手順書が未整備で、受入側にあっては、 体制も未整備であった。
・昭和 57 年当時は、プルトニウム量「1g/容器」が管理すべき値であるとの漠然とした認識のもと、「1g/容器未満」と「1g/容器以下」との違いを確認せずにプルトニウム量が「1g/容器」のものを払い出し、これを受け入れており、管理値を正しく理解していなかった。



「不適切な廃棄物管理を継続したことに関する要因」について

主な要因として、
・計算機による貯蔵管理システムの導入にともなうデータ入力、廃棄物管理事業への移行、保安規定への品質保証の取込み、二法人統合等の機会に、過去のデータを確認しなかった。
・廃棄物は、払出側が基準を守り、受入側は受入時にこれを確認しているとの認識で過去のデータを確認する必要性を認識していなかった。
ことがあげられる。



「廃棄物の管理状況の調査」について

 廃棄物パッケージ 18,905 個の放射性物質濃度及び線量当量率を調査した結果、放射性物質濃度の記載のない記録があり、放射性物質濃度を記録から特定できないものが確認された。これらの廃棄物パッケージについては、廃棄物発生元施設の評価方法に基づき、容器表面の線量当量率等から放射能濃度を求める作業を実施している。
 一時保管中の固体廃棄物 10,361 個について、放射性物質濃度の記載がないものがあり、廃棄物発生元施設の評価方法に基づき、容器表面の線量当量率等から放射能濃度を求める作業を実施している。



「放射性物質濃度の記載がないものがあ」るというのも、なかなか怖いが、
“そもそもこういったことが起こりえるのか?”という自分の中の疑問に対する答えを、物凄くざっくりまとめて云おうとすると、

「昭和 51 年当時は、管理値に関する認識が薄く、払出側、受入側ともこれを確認せずに廃棄物を払い出し、受け入れていた」事実を現在の関係者が把握していなかったこともあって、「廃棄物は、払出側が基準を守り、受入側は受入時にこれを確認しているとの認識で過去のデータを確認する必要性を認識していなかった。」というふうにも云えるだろう。

これって、放射性廃棄物全般に関わる問題にも思える。

周知の通り、特に高レベル放射性廃棄物は何百年以上のスパンで計画されている国家プロジェクトである。
四半世紀そこそこで、取扱の過程において、「作業者の認識に“齟齬”が生じ」てしまうようでは、この先実施計画予定の高レベル放射性廃棄物処理事業も心配になる。

時代を超えて、人の手で管理をしていく、ということの難しさを再確認させられる出来事のように思える。
教訓にされたい。

報告書は、
大洗研究開発センターの廃棄物管理施設において管理しているすべての廃棄物については放射性物質濃度確認作業等の作業が未完了のため、今月末までに報告予定とし、また組織的な要因や、管理状況の調査等で今回確認された課題等に対する要因分析を含め、再発防止策案策定に来年(平成23年)1 月末までという期日を設けている。

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

trackbackURL:http://journalasia.blog22.fc2.com/tb.php/541-8b4bfd12
該当の記事は見つかりませんでした。