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日本の高レベル放射性廃棄物のゆくえを追う

横須賀米軍基地上空飛行制限控訴審判決

司法と国 横須賀米海軍基地を「原子力施設」と認めず

 

 原子力空母ジョージ・ワシントンが配備されている横須賀米海軍基地上空を羽田から関西方面へ旅客機が毎日飛行しており、原子力空母が入港し停泊している間だけでも上空の飛行をしないよう、国に対し、住民らが求める控訴審で、東京高裁(原田敏章裁判長)は棄却判決下した。

 本来の争点は、「原子力艦船」と「原子力施設」の同等性、落下確立の評価等による安全確保、そして航空路に関する決定の権限を持つ国交省(国)の航空法に基づく地上の安全配慮義務に伴う、同路線での飛行の承認に対する違法性であった。しかし、航空法の趣旨・目的と、原告適格に争点がとどめられ、裁判所も国も議論に入ることを避けた。

 原田判決は、航空法に関して、「航空機の航行に起因する障害の中に…航空機墜落による地上の人の生命・身体の安全に対する危険も含まれると解することは、必ずしも不合理ではない」としながらも、墜落した場合の安全性が侵害される地上の人々の範囲が漠然で、範囲を区別できないという理由から、「航空機墜落から航空路の周辺に居住する者の生命・身体の安全という個別的利益をも保護する趣旨を含むものと解することはできないというべき」と、国の「法には、原子力艦船又は原子力関係施設の所在する周辺の住民を他の地域と区別して特に取り上げ、その者らの利益のみを…個別的な利益としてその保護を図っていることを窺わせる規定は存しない」という国の主張を事実上採用した。また、国は航空機が墜落し、しかも原子力艦船に衝突し、大規模な原子力災害が発生する可能性について「極めてまれな偶然が重なる事態」「およそ無視できるほどに極めて小さいもの」としているが、積極的立証はしていない。

 「丁寧に審議はされたと思うが、愁傷だ。」と只野靖弁護士は話し、同時にこういった事が今後訴訟として扱われなくなってしまうことを懸念する。また原告である頼和太郎さんは「国が危険性をどう認識しているか、見たかった。まともに議論すれば勝てる話だ。」と振り返る。また今後羽田発の便が拡張されることから住民らの心配は増す。原告らは上告する方針だ。  

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