JOURNAL ASIA

日本の高レベル放射性廃棄物のゆくえを追う

『100,000年後の安全』のマイケル・マドセン監督インタビュー

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『100,000年後の安全』DVD発売に伴い、監督が3日間来日、21日に下記のイベントがあり、その日監督インタビューと、イベントを取材した。
(昨日23日DVDがいよいよ発売になった。)

【イベント概要】
『100,000年後の安全』マドセン監督×西尾漠トーク付バリアフリー上映会
日時:2011年12月21日 (水) 19:00開場 19:30上映開始 21:00トーク開始(~1h)
場所:オーディトリウム渋谷(東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F)
ゲスト:西尾漠(「はんげんぱつ新聞」編集長)、マイケル・マドセン(本作監督)、他
料金:1500円

★『100,000年後の安全』公式サイト
http://www.uplink.co.jp/100000/


http://www.uplink.co.jp/news/log/004241.phpより)

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監督のインタビューは7社同時と当日知り、なんと全体質問各一問と、個別質問一問っていう究極な状況だった。
「“これだけは聞いておきたい”っていうことお一つで」と迫られ、他の皆さんも“えー!?”となりながら、わたしは下記の通りの質問をした。
インタビュー自体は非常に時間も限られたものだったが、多くの人たちと監督のQ&Aに立ち会い、この一日、監督ならではの見解や物の見方に触れ、中には新鮮な事や、初めて知ることも多く、非常に興味深かった。今回のこの機会に改めて感謝したい。

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私:

「日本の状況にアドバイスがほしいのですが、日本だと公募というシステムをとっていて、9年経ってもまだ見つからない。シンポジウムを開いても例えば推進派と慎重派が対立しちゃってて、全然相容れない感じがあるから、そういった科学技術者と一般市民が交わるにはどうしたらできると思いますか?フィンランドではどうでしたか?」

監督:

「地震の前から、フィンランドの専門家に聞いたところ、日本では地層処分はムリと言っている。日本には地震があり、火山があるから。輸出することもできない。どの国も自分の国のゴミで困っているんだから。」

私:

「というか、原則自国で処分しなければならない(から輸出という事は選択肢として現実的ではない)。」

監督:

「そうだね。ただとにかくこの映画にも出てくる専門家によれば、日本では(地層処分は)できない。地層処分は現時点世界における唯一の最終処分場の在り方だと言われている。だから地層処分ができないから日本はないと。
ただ、最終処分場が見つからないとしても対話は絶対にあるべきだと思う。
今その先ほど仰った状況というのは、賛成の人たち、反対の人たちどちらもがそれぞれに原理主義者になってしまっている。だから会話が成立しない。対話がないことこそ本当に怖い事はないと私は思います。
そして更にもっと怖いのは今回の3.11の地震の後、海外メディアがこぞって言っていたのは、情報が全部公開されていないことがなんと恐ろしい事かと言われている。つまり、情報公開しないと互いに信頼しない。互いに信頼しないと対話が生まれない。そういう構造に日本はなってしまっているんじゃないかと思います。

実はこのオンカロというのは世界中の色んな政治家等を受け入れて、見学できるようにしているんですが、日本の国会議員のかたがこの映画を観て、実際にオンカロまで行った人がいるそうです。それで帰ってきて、日本にもオンカロを作るべきだと言っているんですが、僕が不思議なのは、確かに世界中が(オンカロを)一つの指針、お手本としてみているが、フィンランドの科学者はオンカロは日本にだけは絶対に造れないって言っているのに、誰が彼に売り込んだのか、ちょっと不思議でならない。プッシマは忘れてはならないのは、プライベートカンパニー、私企業です。私企業というのは利益を出さなければいけないので、せっかくノウハウがあるんだから、日本に売りたいと思っちゃったのかもしれませんね。売る物があると。」

この遣り取り一つとっても、オンカロの取材をし、高レベル放射性廃棄物に関する世界的専門家と多くの会話をしてきた監督にとって、日本は地層処分に関して、議論の余地がないと思っているように映る。そうはっきり言ったわけではないが。勿論、議論は大切。しかし、とにかく地層処分は日本だけはムリだと専門家が言っている。そういうことだろう。

監督自身は、この件に関して、賛成反対の立場はとっていない。
10万年の耐久性を持つというその建造物としての関心を寄せているからだ。

監督はこうも言っている。

「フィンランドでは10万年だが、フランス、アメリカでは100万年、つまりそれだけの年月、生物から隔離しておかなければならないとしている。その数字の違いということ一つ見てもわかるように、科学者たちがなかなかはっきり分からない、確かでないと言いたがらないが、決して確かになっていないということ。このあたりに核廃棄物すべての問題点があると思う。」

つまりはその分、モラルが占めるところが多くなるということになる。


監督は最後に教えてくれた。


「実はオンカロには裏口がある。」

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